「土用の丑の日」は廃止しよう。絶滅危機のウナギを考える

40℃近い日が続く日本列島に、今年も「土用の丑の日」がやってきた。だが、今シーズンは稚魚のシラスウナギが不漁。近年は取りすぎによる資源枯渇も危ぶまれている。

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2014年、国際自然保護連合(IUCN)はニホンウナギを「絶滅危惧種」に指定した。

ウナギの減少要因は特定されていないが、海洋環境の変動、環境の悪化、乱獲など様々な原因が考えられている。養殖で用いられるウナギの稚魚の過剰な漁獲も問題視されている。
実は、私たちの食卓に並ぶ「養殖ウナギ」は全て、野生から捕獲した稚魚を人工的に養殖場で育てたものだ。

大量のウナギの需要に対応するには、養殖用のシラスウナギが必要となる。ただ、このシラスウナギの採捕量は1975年ごろから減少基調が続き、取引価格も高騰している。
今年(5月まで)のシラスウナギの国内採捕量(ウナギの養殖池に入れた稚魚の量―輸入した稚魚の量)は8.9トンで、前年比で約4割減。2013年の5.2トンに次ぐ歴史的不漁となった。そのため、卸値が高騰している。

  出典 「土用の丑の日」は、もうやめよう。絶滅危機のウナギを考える

  出典 livedoor.blogimg.jp

水産庁によると、採捕者が「優良な採捕場所を秘密にしたい」「採捕量が高いと妬まれる」「数グラムを毎回報告するのが面倒」などの理由で報告しない例があるという。
自治体が指定する出荷先よりも高値で買い取ってくれる県外の業者に横流しし、その分を報告しないケースも考えられるという。1匹で100円超の値が付く場合もあるという。

無許可での密漁されたシラスウナギが、暴力団の資金源になっているという指摘もある。
水産庁は都道府県に対し、無報告の採捕者には許可を取り消したり、許可を更新しないよう促すなど、不正対策をの強化を指示している。

シラスウナギは成長するとパッケージ加工され、様々な形の流通ルートで消費者に届けられる。コンビニやスーパーに並ぶ、パック詰めされたウナギの中に「密漁」が混ざっていても、見た目ではわからない。

  出典 「土用の丑の日」は、もうやめよう。絶滅危機のウナギを考える

  出典 kabayakihonpo.com

水産庁によると、ウナギの国内供給量は2000年(平成12年)にピークに達した。中国から大量のヨーロッパウナギが加工品として輸入されたことが背景にある。
ところがヨーロッパウナギは2007年、ワシントン条約で輸出入の規制対象になった。貿易取引も制限されている。

現在、ニホンウナギの代替品とされるアメリカウナギも「絶滅危惧IB類」に指定されている。ニホンウナギと味が似ているされ、日本での消費量が増えているビカーラ種も「準絶滅危惧種」となった。
次回のワシントン条約の締約国会議は2019年5月〜6月、スリランカのコロンボで開催される。議論の行方次第では、ニホンウナギ以外のウナギも貿易取引が規制される可能性がある。


  出典 www.olive-hitomawashi.com

ウナギ文化を守るために、消費者にはなにができるのだろうか。水産庁増殖推進部の担当者はこう語る。
「ウナギは天然資源です。また、養殖ウナギといっても稚魚は天然に依存しています。これからもウナギという資源を持続的に利用していくためには、数に限りがあるものだと意識していただくことが大切だと思います」

そもそもなぜ「土用の丑の日」にウナギを食べる風習があるのか。諸説あるが、最も有名なものは江戸時代の発明家・平賀源内が、うなぎ屋の広告PR案として考えたという説だ。

食通で知られた北大路魯山人は、こんな言葉を残している。
「うなぎはいつ頃がほんとうに美味いかというと、およそ暑さとは対照的な一月寒中の頃のようである」
(北大路魯山人『鰻の話』)

古くは「土用の丑の日には『う』のつくものを食べると夏バテしない」という言い伝えがあった。
となると、ウナギではなく「牛(牛肉)」でも「梅」などでも良いのではないか...と、ウナギ以外を展開する企業も出ている。

スーパーの「アピタ」や「ピアゴ」を展開するユニーは、「土用の牛の日」に向けてカルビをのせた「ひつまうし」を提案。焼き肉売り場の品ぞろえを強化している。
日本のウナギ文化を守るためにも、「土用の丑の日」にお祭り騒ぎでウナギを食べるのは、もうやめませんか。

  出典 「土用の丑の日」は、もうやめよう。絶滅危機のウナギを考える
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